掲示板A11月

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唯念仏

「真宗」の教え・・を端的に言えば「唯念仏」ということにおさまる。

(本願を信じて、念仏すれば・・仏になる)これは歎異鈔の中にある、唯円に

よって伝えられる親鸞の言葉である。古来より「山より大きな猪は出ない」と

の例えで伝えられるがごとく、「念佛におさまらない問題」など生じはしない

「念佛唯ひとつ」・・この本願力廻向の信心のみが、人生の裏切らざる命綱な

のだ。             南無阿弥陀仏


さて、11月も冬至が過ぎ、本山から来年度の「法語カレンダー」など届きま

すと、いよいよ本年も終わりが近づいて来たと感じます。朝晩がますます冷

え込み始めますと、深夜の自室の空間の中が、若い頃感じていた真冬の映画

館に映し出される「スクリーン」の出来事の様に、色々な情景が現れ、留ま

り、去っていきます。人生が「夢」であるとは、よく言われることです。

仏教でも「夢」ということは、実体のないものの比喩として、使われること

もあります。「夢の中の是非は・・是非共に非なり・・」これは、禅宗の方

の言葉として、記憶していますが、ここでは「迷いの中での判断は、是とい

おうが非と言おうが・・どちらも非、迷いであるのだ。」との意味であった

と思います。それとは、別に「夢」(寝ているときに見る夢ですよ)が様々

意味をもったものとして、受け入れられることもあります。

宗祖の三夢記といわれるものもそうしたものでしょう・・。

もう、十年ほど以前に知人の僧職者から聞いた話をこのHPで紹介したことが

ありました。冬が近づき、寒気に覆われ始める、この季節の月空を眺めてい

ると、ふとその話を思い出します。


以下が以前ご紹介しました、話なのです・・・。

それは、彼のお寺とかなり懇意な檀家でのことなのです。彼自身もお寺に入

ってからずっとのお付き合いですので、もう二十年以上になるでしょうか。

I家の方々は特にYさんのお話を聴聞されるのを好まれ、御命日や行事以外の

日でも、ご自宅に招かれ「御法話」などさせて頂いておられました。

YさんがI家にお伺いする様になりまして、十年ほど経った頃でしょうか、I家

の御長男のA男さんがご結婚されました。A男さんはそのまま御両親とI家にお

住まいになりました。奥様になられた方はA男さんより二つ年が上の方で、た

いへん明るく気さくな女性とのことです。I家はますます明るく賑やかになり

ました。そして二年後、A男さんにはお子さまが出来ました。

女のお子様でした。その子の名付け親はYさんのお寺のご住職でした。

「Oちゃん」それがその子の名前です。Oちゃんは健康で、すくすくと大きく

なっていきました。大きな瞳は奥様のK子さんに似、まっすぐな鼻筋はA男さ

んによく似ています。このOちゃんはとてもよくYさんになつきました。

YさんがI家を訪れると、何処からともなくOちゃんが真っ先にペタペタペタ

とゆっくりと歩いて現れて、Yさんを出迎えてくれ、それから後を追うように

K子さんがバタバタと走って追いかけて来るのが常になっていました。

幼い子供のいる家でのよくありがちな光景でしょう。YさんはこのOちゃんの

ことがとてもかわいく、そしてなぜかむしょうに愛しく懐かしく感じだしま

した。Yさんにも息子さんがおられます。しかし、その子の幼かった頃のか

わいさともまた違ったものでした。それは、子どもに対してのカワイイとい

う気持ちでは無く、Oちゃんへの懐かしさだそうでした。

懐かしさ!まだ、二才にもならない子どもに。

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