けいじばん3月
けいじばん3月
今年の「春分の日」は3月21日ですので、18日が「彼岸の入り」になり
ます。「春のお彼岸」は、秋と違い・・もちろん季節のせいですが、ゆった
りと、和かな心持ちの中で迎えることが出来ます。穏やかな日差し、ゆっく
りとゆっくりと、次第に「昨日の装い」へと押しやられて行こうとしている
「冬の日の木立」はおごそかに姿を隠し、初春の草花が登場し始めます。
桜の花が開花するまでのこの時期、早春の花々が、いち早く季節の訪れを告
げてくれています・・。赤磐の春、の始まりですね。
さて、「三月の法語」なのですが、「禍」が口から出る・・ということなの
ですが、口から出る・・というのはもちろん「言葉」のことですが、言葉そ
れ自体には「責任」はありません。その「言葉」を発するのは、私の「心」
です。ですから、この「心」に注意しなければいけないということでしょ
う・・
「彼岸」-悟りの世界ーへと渡るための修行に、「六波羅蜜」があります。
これは、「布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧」のことですが、この中の
「布施」に、無財の七施があります。その無財の七施の一つに、「言辞施」
というものがあります。また、-和顔愛語ーという言葉がありますが、和
やかな顔に、慈悲の言葉という意味です。一つの言葉にも反省があり、命が
あり、慈悲があるということですね。言葉は尊くもあり、時に危険でもあ
る・・人間の心故に・・・。尊敬するかたの言葉に「雄弁なるもよし、能弁
なるもよし、しかし、それらにもまして光るものがある。それは沈黙であ
る。口を開く必要のない時、また口を開いても仕方がない時・・黙して語ら
ない。山の如く動かず林の如く静かなるのは、雄弁以上の雄弁である。」と
あります。
しばし沈黙の奥よりいずる・・その・・一言
私たちは、「言葉」について反省し、真の言葉を布施したいものである・・
ということですね。 南無阿弥陀仏