掲示板7・8月

掲示板7・8月

7月2
大自然

8月6日の岡山の地元紙(山陽新聞)の朝刊には「おかやま桃太郎まつり開

幕」-夏の華5000発ーとある。そして前夜8月5日に旭川西中島川原で

開催された、鮮やかな色彩の花火の写真が掲載されている。社会面には、

「きょう広島原爆の日」と被爆72年目を迎えた広島での、「原爆死没

者慰霊式・平和祈念式」に関連する記事が出ている。

また、翌8月7日の同じ朝刊には「うらじゃ乱舞」の見出しと8月5・6日

と続いた「おかやま桃太郎まつり」の終了を告げている。「うらじゃ」とは

広島の方には少し馴染みのない言葉だが、桃太郎伝説の鬼人「温羅」にちな

み、鬼のメイクをした若者たちが「連」独自の個性的な踊りを披露するもの

だ。まだ二十年程の歴史の、私の若い頃にはなかった新しい時代の踊りだ

が、いまや岡山を代表する「新たな岡山の顔」といってもよいだろう。

そして、その下には「核廃絶さらに前進を」と前日広島で営まれた「慰霊

式・祈念式」様子が記されてある。社会面には「平和 切なる願い」の県民

のみならず、すべての人間の願いのもとに「平和への誓い」を子ども代表と

して宣言した小学生の男子の言葉が紹介されている。自らが体験したわけで

はない「その日」の有様を、祖父から聞いたという曽祖母の被爆体験の中か

ら命の重みを知り、粘り強く伝えていきたいとの決意を述べている。

願い・・は途切れることはない。


毎年この時期になると、対をなすかのように必ずこの二つの記事が掲載され

る。開催される日時が重なるせいもあるが、真夏の重要なるメッセージなの

だ。広島では厳粛なる気持ちで、数十年前の争いの犠牲となった人々の鎮痛

なる思いと、彼らが現代に呼びかける「真の平穏」の念いを受け入れ、それ

を「後に生まれる者たち」に正しく伝えんとする儀式が行われる・・・。


岡山での「うらじゃ」の語源となった「温羅」とは先に記した様に「鬼人」

のことなのだが、これには諸説ある。「温羅」とは、朝鮮半島から国内で起

こった戦いの難を逃れて、日本へと渡ってきた渡来人の長とも言われている

らしい。彼らは、自分たちを温かく受け入れてくれた吉備国への恩返しのた

め、製鉄、造船、製塩の技術を伝授し、吉備国の発展に大きく尽くしたのだ

当時の吉備国の人々にとっては、自分たちの知らない技術、知識を持った彼

らに畏敬の念を抱いたのかもしれない。そして、「温羅」たちの力で吉備国

は豊かになった。「鬼」の名は、必ずしも悪い意味だけで使われるものでは

ない。自らの理解を越えたる知恵や力を持つ者をも、時にはそう表現する。

歴史のみの解釈は別にして、この岡山が72年前の初夏、「空襲」によっ

て壊滅させられたまさにその場所で、新たな若い力は、かつての岡山市民

と、今の岡山市民、そして、目には見えないが確かにある「異形の熱意」に

促されながら、郷土の平和と繁栄とを願っているのだ・・・

                     南無阿弥陀仏

立位南無 薄みどり (566x800)

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional