掲示板(新7月)

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明日は

ー明日は明日の風が吹くーは映画(風と共に去りぬ)のラストシーンで

ヒロインのスカーレット・オハラが夕焼けの中、自らに強く言い聞かせる

言葉として(ある年代以上の方々)には印象が強いのではないでしょうか。

実際の台詞ではー明日はまた明日の陽がのぼるのだーでありましたか、

ー明日に希望を託してーでありましたか、(風が吹く)ではなかった様に

記憶しています。

マーガレット・ミッチェルの原文では(Tomorrow is another day)

で直訳すれば(明日は別の日)・・であり、よく知られている言葉だと思い

ます。

1860年代の南北戦争時代のアメリカ南部・ジョージア州を舞台にした

この映画はミッチェル女史の原作の凄さ(ダイナミックさ)と映画での表現

のすばらしさが加わり1939年に初公開されるや、空前の大ヒットを記録

したとのことでした。日本での初上映はそれから13年後の1952年であ

り、当時としては高額の入場料にもかかわらず、やはり異例の大ヒットロン

グランであったとのことです。私がこの映画を初めて観ましたのは、それか

数十年後のことです。夏休みの合間の頃ではなかったでしょうか。

架空の地であるタラの夕暮の色が、その頃の岡山市の中心部から見る西空

と合い重なり、それは時と空間を超えながら出現して来る様に感じられまし

た。この映画がアメリカ映画にもかかわらず、1950年代、敗戦の傷跡

未だ癒えない中にも、復興を遂げて行こうとする日本国民の心情にもマッチ

したとのことも深く肯ける思いもします。

この世の最後の景色を思わせるかのような、(夕暮のタラ)。スカーレット

は彼女にとって最初のそして最後の足場となるこの赤土の上で・・・

「Tomorrow is another day」と呟きます。

南北戦争であれ、太平洋戦争であれ、戦争とは哀しいものです。

州と州、国家と国家の争いの中、翻弄され予期せぬ事態に巻き込まれるのは

常に一般の者たちです。そこにある、憎むべき相手とは決して他国ではあり

ません。戦っている相手ではありません。憎むべき相手とは「戦い」その

ものなのです。この作品が日本人の心をも深く捉えたのは「戦いそのもの」

の中で、傷つけられた者が情念とも言うべき覚悟をもって運命そのものに

立ち向かおうとする、その真実なる姿にあるのでしょう。

ー明日は、明日の風が吹くー。明日はまた、今日とは違う別の日が訪れます

よい日も、悪い日もありません。今日とは違う、明日の課題が待ち受けて

いるのです。今日、良いと感じることも、今日、良くないと感じていること

も、すべては過ぎ去っていきます。明日はまた、明日の課題が待ち受けて

いるのです。すべては、弥陀の願心の中で・・・。

                        南無阿弥陀仏

じょうかい

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