掲示板11月

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怠らず
11月3日、父、叔母(母の妹)と私の三人で尾道市向島を訪れました。

向島には祖母の妹が住んでおります。尾道市は祖母の生まれ故郷であり、私

たちにとりましても縁深き土地であります。私にとりましては、一年ぶりの

尾道でした。昨年末に友人と来て以来です。山陽自動車道の岡山インターで

乗り尾道まで一時間ほどでしたでしょうか、そのまま向島大橋を渡り島内に

到着しました。この地には平成23年に101歳で亡くなった祖母の妹がお

ります。やはり昨年に私だけはその(大叔母)に会ったのですが、父・叔母

にとっては数年ぶりでしょう。高齢の大叔母にとっては、この一年という

時間は短いものではなかったでしょう。尋ねて行くとはたして大叔母がおり

ました。以外なほど昨年会った時とは変わりはありませんでした。久々に会

った父も叔母もたいへん嬉しそうでした。そして、最初不思議そうな表情で

私達を見つめていた大叔母も、叔母の持ってきた写真、姉である祖母の写真

などを見つめるうちに、次第に「時」は蘇り、懐かしさの溢れた顔にと変わ

ってきたのでした。さらに叔母も私も、子供の時に過ごした尾道での思い出

を大叔母の耳元で語り、遠い記憶を再び呼び起こそうとしていました。五人

いた祖母の姉妹弟も今や皆が浄土の住人となり、残っているのはこの大叔母

だけです。この大叔母の中には、かつての「尾道」を繋ぐ確かな存在が潜ん

でいるのを、父も叔母も私も感じていました・・・。

しばしの時を私たちは、大叔母と共に過ごし、そして向島大橋へと戻って行

きました。この橋の上から見下ろす、尾道水道、尾道の街、は永遠に色あせ

ることのないムービーに収められているかの様に、眺めようと思えば、すか

さず現れてくる、変わることのない景色に思われます。

市街へ着くと、たいへんな人通りでした。今日は三日続きの祭りの最終日、

(ベッチャー祭り)練り歩き、がちょうど久保本通りから長江通りにかかる

時間にあたっていた様でした。当日が(ベッチャー)の日だったのは偶然で

したが出発場所の吉備津彦神社(一宮)は祖母の家の菩提寺である宝土寺の

一部(西側)に位置します。宝土寺とも縁深き大祭は現在では尾道市無形民

俗文化財に指定されているとのことです。こうした、市民にとっても重要な

行事の日に尾道を訪れることが出来たのもありがたいことでした。

やや西に陽が沈みかけ、尾道水道が薄い朱色に染まり始めだした頃、私たち

は尾道を後にしました・・。

大叔母は今月で、満九十七才になるとのことでした。


それにしても・・・様々なこともあったでしょうが、ただ、ゆっくりと・・

そして、ゆったりと・・元気でいてくださっているということが、私たちに

とっては、失われてしまうものばかり中で、失わさせない力となって抱えて

くださっているということが、よくわかる。よくわかるの・・・でした。

                        南無阿弥陀仏

    立位南無 薄みどり (566x800)                   

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